症例9 1か月以上前から腰が痛み、病院に行っても治らなかった 女性 40代
来院
2021年1月
症状と来院理由
腰痛と腕のしびれがあり、仕事に支障が出ていた。病院や整骨院等通っていたが全く症状が変わらずに痛み止めを服用して生活。同僚に腰の治療も上手な先生がいると紹介され来院となる。
主訴
上半身をどの方向に動かしても腰が痛い。また常に腕がピリピリしびれている。
施術経過と内容
腰が全体的に痛みがあり仕事に支障がある。また腕のしびれは頸椎ヘルニアと診断もされている。特に疲れてくると痛みが強くなる
施術回数
3回
VASの変化(痛みスコア)
1回目50→10、2回目40→10、3回目10→0
考察
腰が痛いという症例であったが、結果として首に原因があり、首の治療をすることで腰痛が劇的に改善された症例。主訴である痛い場所に囚われず全身をしっかり診察していくことが大切であった症例。
症例8 朝寝て起きたら腰が全く動かせない 女性 50代
来院
2012年1月
症状と来院理由
朝起きたら腰を曲げることができなく、トイレに行くことも靴下を履くこともままならない状態。仕事を休むことができなく、コルセットを巻いて無理やり仕事をしていた。会社の福利厚生として当鍼灸院と契約があったので施術の依頼があった。
主訴
上半身を前屈も後屈も痛みがある。腰より下に手を下せないため、トイレも着替えも一人でできない状態。
施術経過と内容
左腰のあたりのピンポイントの痛みがある。左右のある明らかな緊張があった。
施術回数
1回
使用した主なツボ
殷門L
考察
痛めてから3日後であったが、患者さんの痛みの主訴と体を触った感覚が一致した症例。施術前は腰より下に手を下せなかったのが、つま先を触れるようになったため1本の鍼で施術が終了した。患者さんの驚く顔が印象的だった。はもっとツボの選択の精度を上げていきたい。
症例7 朝寝て起きたら腰が全く動かせない 男性 30代
来院
2019年11月
症状と来院理由
最近咳が出ており、寝ながら咳込んだような気がするがなぜ痛くなったかはよくわからない。仕事で関わったことのある鍼灸院へ来院となる。
主訴
上半身を前屈も後屈もできない。腰より下に手を下せないため、トイレも着替えも一人でできない状態。回旋は問題ない。
施術経過と内容
仙骨と腰椎下部に左右わからないピンポイントの痛みがある。丁寧に触れると左側の強い緊張が見られた。
施術回数
1回
使用した主なツボ
玉人L、豊隆L、漏谷L
考察
この症例は患者さんが左右どっちがつらいかわからない。また反応はあるが症状が取れにくい状態であった。体動も困難であり着替えもできない状態であった。洋服の上から丁寧に触れることで、患者さんの着替えの負担を減らし施術できた症例。体を動かすことが難しい患者さんに対しても必要なタイミングで施術効果のテストを行い患者さん自身に体の変化を感じてもらうことができた症例。反省としては、第3候補で考えていた場所が一番効いた印象があった。今後はもっとツボの選択の精度を上げていきたい。
症例6 脊柱管狭窄症が悪化して、お尻や太もものうらにしびれがある 男性 60代
来院
2019年10月
症状と来院理由
10年位前に狭窄症の手術をした。その後それなりに付き合ってきたが、最近になって痛みがとしびれが強くなり生活や仕事に支障が出ていた。病院に通ったが、特になく何もしてもらえず痛み止めをもらうだけ。その痛み止めも効かないため、地下鉄駅から近い鍼灸院に来院となる。
主訴
脊柱管狭窄症のためか両方の足の痛みしびれはあるものの、右側は自制内であるが、左側に強い痛みとしびれがある。冬の通勤が大変になる前に少しでも症状を改善したい。
肩と腰と反対側の背中に強い筋緊張を認めた。器質的な変性がありそれに伴う発痛であることが推測される。しかし、しっかりと触れてみると、足やおしりに疼痛が出やすい筋肉が緊張していることが分かった。その部分の緊張を緩めることによって、自覚的な痛みが減少した。
施術回数
3回
使用した主なツボ
空髎L・L1(1.5)L
考察
手術から時間がたち加齢と生活スタイルから痛みとしびれが生じ、整形外科では狭窄症の悪化と脊柱管狭窄症が悪化したと思い込んでしまった事例。症状の聞き取りだけにとらわれることなく全身をしっかり見たことによって状態改善にむずびついた。ご本人の感覚では1回の施術ごとに15%くらい良くなっていく感覚があった。6-7割の痛みが取れたということで施術終了となる。脊柱管狭窄症の悪化は無いが、手術痕や狭窄箇所があることには間違いがない。鍼施術で、痛みやしびれに対して症状が軽くなった症例となる。
症例5 子供を抱き上げようとして腰を痛めた、腰を伸ばすと痛い 女性 30代
来院
2019年9月
症状と来院理由
先日子供を抱き上げようとしたところ、右側の腰を痛めた感覚があった。今は腰全体が痛くなっており、痛みの場所がはっきりしない。以前も腰の施術をしてもらいすぐに改善した経験もあるから当鍼灸院に来院となる。
主訴
もともと腰痛になりやすい体なので気を付けていたが痛みが出てきた。当日は背中を伸ばすと痛い状態。痛みの場所ははっきりしない。
施術経過と内容
背中から腰に掛けて触れてみると強い筋緊張があった。特に腰の部分を触ったときに、患者さんから、そこが気になると発言があった。
施術回数
1回
使用した主なツボ
玉人L 豊隆L
考察
症状の聞き取りから施術終了までの時間が10分で終わった症例で、痛む側と施術側が反対になった症例。
先入観を捨てて背中から腰の反応を確認すると、左側に強い反応があった。腰痛時にでる2つの特徴的反応があり、患者さんと共有できたポイントから施術を始める。しかしあまり変化を感じることができなかったため、一番反応が強いツボに鍼をし、筋肉の緊張が取れるのを確認してから鍼を抜いた。その結果、患者さんの驚きの表情があり、「全く痛くない」と発言が出たので施術終了となる。
症例4 立ち仕事で腰が痛く、中腰や腰をひねると痛い 女性 40代
来院
2018年6月
症状と来院理由
1か月前から腰が痛く仕事や生活に支障が出ていた。仕事が忙しかったためなかなか施術に来ることができずにいたが、以前めまいの症状を改善してもらったことの施術実績と仕事も開いているので当鍼灸院に来院となる。
主訴
仕事が立ち仕事で、最近は常に忙しい状態が続いていた。腰全体の痛み(右が症状強い)がありすべての行動が大変。特に中腰での顔を洗う動作や、体をひねる動作が辛い。
施術経過と内容
背中から腰に掛けて触れてみると強い筋緊張があった。また朝起きたときに体が辛くあおむけで寝ることも苦しい。
主訴の順番に施術を続けたところ、腰の全体の痛みも緩和したため施術終了となる。
同時に施術した症状
太ももの違和感。
施術回数
1回
使用した主なツボ
玖路R 懸鐘R T12(1.5)R
考察
症状の聞き取りから施術終了までの時間が20分で終わった症例。
痛みが出てから1か月という長い期間我慢したこともあり、全ての痛みを取ることは難しかったが、患者さんの生活に支障が出ない程度まで痛みを取ることができた。仕事が忙しく満足に施術に通えない状態であるが、少しでも気になったら連絡がほしいと助言をして終了となる。このような忙しい人たちがしっかりと自分の健康と向き合うことができるように、夜間の施術時間の提供と短時間の施術を心がけていきたい。
症例3 肩から背中にかけてピンと張ったような痛みと腰痛 男性 30代
来院
2018年5月
症状と来院理由
1週間前から、首から肩にかけて引っ張られたような痛みがあり、我慢ができなくなって以前施術してもらってすぐに症状が消失した当鍼灸院に来院。
主訴
右側の首から肩にかけて突っ張ったような痛み。首を回すと痛みの増悪が見られる。右側のお尻あたりが、じっとしていても痛みが続いている。
施術経過と内容
首を触れてみると右側に顕著な硬さがあった。痛みの場所としては首から肩甲骨の内側にかけて引っ張られたような痛み。足に鍼をしたところ、肩と腰の筋肉の緊張が緩んだこととが自覚でき、痛みの消失があった。また首と肩の筋肉の緊張が取れたことも認められた。翌日2回目の施術では、首の痛みが明確になってきたと話があったため、腰部のツボに鍼をして5分置鍼をした。施術後痛みがすべてなくなったということで終了となる。
施術回数
2回
使用した主なツボ
地機R 築賓R 上髎R 下髎R
考察
痛みのポイントが肩と腰というよくある症例。なるべく局所へ施術せずしないことで、効果を際立たせることができた。多くの症状に対し最小の鍼刺激で施術ができるように今後も研鑽を続けていきたい。
※肩の痛みの症例6と同じ
症例2 肩と腰と膝が痛く、奥歯が浮いた感じがする 女性 40代
来院
2017年11月
主訴
左奥歯:浮いた感じがして何とも言えない違和感がある。
左肩 :普段の肩こりよりも強い症状で、常時鈍痛がある。
左腰 :痛くてだるい感じがする。
左膝 :正座や横座りをすると激痛が走ることがある。
施術経過と内容
首と背骨を触れると、左側に明らかな筋緊張がった。左手にあるツボに鍼を1本行い、3分ほど置鍼を行うと、主訴として肩の痛みと腰の痛みが引いていくのがわかったと発言があった。置鍼後再度首と背骨を触れると筋緊張がなくなっていた。腰部に若干の違和感が残ったため、症状の聞き取りを進めると、歯ぎしりがあると言われマウスピースをして寝ているとのこと。連動する肩のツボに鍼を刺し、確認すると腰の違和感もなくなっていた。この時点で膝の痛みを確認したところ再現見られなかったため終了となる。
使用した主なツボ
養老L 肩参L
考察
もともと歯ぎしりと肩こりが常時あり背中が辛い症状があったことにより、脊椎や肩甲骨の稼働が悪くなり症状が一時的に強く出た状態と考える。膝の痛みについては肩腰と連動していることも多く、それらの問題が解決されたことにより膝の痛みが消失したと考えられる。今回の主訴の中で主な原因点をいち早く発見できたことが、施術に使うツボの数を少なくさせれたと考えられる。今後も原因と症状の見極がより精度よく行えるようにしていきたい。
歯の痛み 肩の痛み 膝の痛み 腰の痛みに掲載
症例1 背中が痛く首が動かせない ぎっくり腰 男性 30代
来院
2017年6月
症状と来院理由
普段からぎっくり腰で整骨院に通っていた。ここ数日首から背中の張りが強く出ており、病院か鍼灸院に行くか迷った末、職場の仲間に当鍼灸院を紹介された。
主訴
顔を下に向けた状態で、右側の背中から首にかけてピンと張ったような痛みを感じる。
首が動かし難い。(前に倒せる首が45°程度)
施術経過と内容
首を触れるも目立った筋緊張はなかった。背中の筋肉(脊柱起立筋)は、右側の筋肉に緊張が見られた。右手と右足にあるツボに鍼を1本行い、頸から背中にかけてのピンと張った痛みはなくなった。また首を前に倒す動作も45°→75°と改善した。
腰の回旋運動による痛みも、半分以下に減ったため終了とした。
同時に施術した症状
腰を左にねじった際に、右の腰(主に横側)が痛む。
使用した主なツボ
列缺R 膝陽関R
考察
首の痛みが気になりだすより数日前に腰の痛みが強くなっていたことから、体を動かす際に腰の痛みをかばうため背中から頸にかけて筋緊張が発生し、それが原因で痛みが出てきたと考えられる。また、症状の聞き取りと動作チェックにおいて痛みの発生場所が異なっていたため、痛みを意識しすぎていたことも、さらに動作を悪くするなどの悪循環が生まれていたものと考えられる。