肩関節周囲炎
肩関節周囲炎は、年齢に関係なく広い範囲の疼痛性疾患をさす場合と、四十肩や五十肩と同義に用いられる場合があります。原因がなく画像所見上も特にない場合が多いです。
五十肩・四十肩
40歳代~60歳代に好発し、その多くが50歳代であることから「五十肩」あるいは「四十肩」と呼ばれています。加齢に伴い肩関節周囲組織が傷み、炎症を起こすことが主な要因と考えられていますがよくわかっていないため、四十肩や五十肩の対策が難しいのです。
肩の運動の制限と痛みを主症状としています。夜中や明け方に肩が痛む夜間痛が特徴的です。
頭を洗う事や着替えが大変など、日常生活の動作に支障が出ることが多いですが、負担がかからないように日常生活を工夫すると徐々に症状が改善する場合もあります。しかし、痛みが治まる期間は個人差が大きく数年に及ぶこともあります。参考文献1)によると、完全に運動制限が回復するのは約40%であり、多くが後遺症として残るとされています。また、他の損傷の可能性もあるため、自己判断せずにお早めにご相談ください。
参考文献
1)Reeves B:Scand J Rheumatol. 1975;4(4):193-6.
五十肩・四十肩の簡単ストレッチ(理学療法士監修)
ここではセルフケアとしての簡単ストレッチの一部を紹介します。しかしすべてが解決するわけではありません。また、手順や方法を間違うと症状を悪化させてしまう可能性もあります。くれぐれも無理をせず何か不安なことがあればすぐにお問い合わせください。
全体を通してのお約束
① 肩が痛いときは無理をしない範囲で行います。
② 1日10回を1~3セット行います。
③ あくまで一般的な方法と回数なので、くれぐれもやりすぎないように体と相談をしながら行ってください
背中を目一杯丸めます。
手は前に、背中が後ろに引っ張られるようにします。
手の甲を背中につけます。
手の甲は背中から離れないように、肘を前に引っ張ります。
両手はパーにします。
横の腕は肘が曲がっても大丈夫です。