もうすぐ令和元年が終わりますね。
皆様平和最後の年と令和初めの年はどのような1年でありましたか?
いつも通りの方もいれば、大きく環境が変わった方もいるかもしれません。
私は大きく環境が変わった側にいることは間違いありません。
鍼灸の医療的研究に携わっているため、歴史が大きく変わるであろう瞬間に何度も立ち会うことができました。
来年はさらに激動の年になって行くだろうと今から心躍っております。
さて、今日のブログのテーマは「アトピー性皮膚炎の治し方」と題しました。
では順を追ってお話を進めます。
まずアトピー性皮膚炎とは?
アトピーとはギリシャ語のATOPOS(場所が特定できないという意味のA-TOPOS)が語源となっております。1923年にできた言葉です。「不思議な」や「とらえどころがない」という意味で、アメリカのサルツバーガーという高名な皮膚科医が、気管支ぜんそくやいくつかの湿疹などをまとめて「アトピー性皮膚炎」と呼ぼうと提唱したのが始まりです。
※イメージです
今まではわからないことも多く、原因についても諸説ありましたが、最近の研究で①②のようなことがわかってきました。
①健康な人よりもかゆみを感じやすい
かゆみを感じる神経は通常表皮の下にあるのに対し、アトピー性皮膚炎の人は表皮の中に神経が通っており、かゆみ刺激を感じやすい体質である。
②肌のバリア機能が低い
肌の角質層を保つためのセラミドが作られにくい体質のため、乾燥肌になりやすい体質である。
※お肌のイメージです
アトピー性皮膚炎はアレルギー「だけ」が原因で起こるわけではありませんが、アレルギー「も」増悪要因となっています。
結論から言うとアトピー性皮膚炎はⅣ型のアレルギー疾患になります。(アレルギー疾患は細かく分けるとⅠ~Ⅳまでありますが、ここでの説明は割愛します)
日常的な外的刺激→①と②による過剰反応→体の防御反応→アトピー性皮膚炎となります。
ここまでわかっているのなら、治療は簡単のはずでず。
まずは②である、肌のバリア機能を保湿によって向上させ①に対する反応を低くすればいいわけです。
痒みの増悪要因は何か?
これは人による個人差が出るものもあります。
・衣服の摩擦やこすれ(私はマフラーで毎年やられます)
・発汗(私は夏に肘の内側やひざの裏、鼠経部など)
・プールの消毒液(私は手がガサガサになります)
・精神的ストレス(私はこれが一番の増悪因子になっています)
・乾燥や気温の変化(私は秋から冬にかけてが一番ひどくなります)
・食べこぼし(私は少ししかしません)
・砂いじり(私はめったにしません)
・舌なめずり(私はしません)
アトピー性皮膚炎の有病率
アトピー性皮膚炎は体質からくる症状なので幼年期に発症するケースが圧倒的です。大人になると症状が落ち着くこともあります(子供は大人と比べて皮膚の皮脂量が少ないため大人になるにつれて、症状が軽くなります)が、私のように大人になっても一時的に症状が悪化する方もいます。
報告によって差はありますが、厚生労働省保険局がん・疾病対策課(平成28年2月3日)の資料によると、アトピー性皮膚炎の総患者数は45万6千人おり、年齢による構成は下記のようになっています
0~19歳 36%
20~44歳 44%
45~69歳 16%
70歳以上 4%
アトピー性皮膚炎のつらさ
アトピー性皮膚炎は健常者にはわからない痒みつらさと、見た目のデメリットを持ち合わせます。かゆみは集中力にも影響するため、勉学や仕事にも影響をします。また私自身がアトピー性皮膚炎だからこそ「見た目のデメリット」という表現を使いました。顔の乾燥からくる皮膚のはがれや、あたまの湿疹による皮膚のはがれ、炎症によるあかみやひっかいたいた傷跡、ひっかいている行動等多くの人には不潔そうなイメージという印象を与えるようです。人の第一印象は見た目で6割や7割、果ては9割といったデータもあります。そんな中でアトピー性皮膚炎の人たちはただ生活を送るだけでもつらい状況に置かれています。
アトピー性皮膚炎の治療で一番大切なこと
アトピー性皮膚炎とインターネットで検索すると様々な情報があふれています。一時期はアトピービジネスという言葉もあったほどです。今ではだいぶ下火になってきましたが、なかなか治りにくく本当に困っている人が多いからこそそのような状況になったわけです。前項にも書いた通り、体質そのものが病気と関係しているため、奇跡のような治り方はなかなか難しいです。だんだんと症状が落ち着いてきたというのが印象かもしれません。
アトピー性皮膚炎の増悪因子のキーワードは、「乾燥」「かき壊し」「ストレス」「生活習慣」となります。生活をするうえですべての増悪因子を避けることは難しいです。しかし意識することによって、少しずつ減らすことはできると思います。
アトピー性皮膚炎において一番大切なことは「早く症状を抑えること」であることを忘れてはいけません。
長くなってきたので今回はここで終わります。